日本酒の甘口・辛口って?
先週の土曜日、山中酒の店の本店において
「第一回 やまなか日本酒講座~日本酒の甘口?辛口?って~」
を開催いたしました。
その日、運良くその話を聞けたので、簡単にご紹介と個人的感想を。
この仕事をしていると個人のお客様、飲食店の方に
「辛口のお酒どれ?」「辛口のお酒が欲しいんやけど」
とよく言われます。
その際にオススメしやすいお酒は「辛口」と書いてあるお酒。
じゃあその「辛口」と書いてあるお酒は本当に辛く感じるのか?と聞かれたら僕の経験ではそうでもないです。
日本酒の辛さの目安となるのは、広く認識されているのが「日本酒度」です。
この日本酒度がプラスの数字が大きければ辛いお酒ということです。
ではこの日本酒度、どのように数値が決まるかということですが、
それは「水より軽いか重いか」を数値にしています。と言っても???ってなりますよね。
僕なりに理解した中で、もっと砕いて言うと(少し意味合いが違ってくるかもしれませんが)
「どれだけ糖分が無くなっているか」ということなのかと。
つまり「辛口」なのでは無く、「甘くない」という表現が正しいのかなと。
ここで当店の店長手作りの下記図を見て下さい。日本酒の甘さの説明です。
まずお酒の製造過程の話ですが、簡単に言うと
「米のデンプンを麹菌がブドウ糖にする→そのブドウ糖を食べて酵母がアルコール発酵させる」
という流れです。
図を見ていただければ分かりやすいですが、デンプン(24本入りのビールケース)をまず麹菌から出た酵素(鍵1)でオリゴ糖(6本セットのビール)に分解します。このオリゴ糖、実は人間の味覚にあまり甘さを感じせません。
そしてその後、このオリゴ糖をさらに違う酵素(鍵2)が分解してブドウ糖(バラのビール缶)に分解してそれを酵母が食べはじめます。このブドウ糖は甘味をしっかり感じます。
このブドウ糖を酵母がどんどん食べていくことでアルコール発酵し、「甘味が無くなっていき」、日本酒度の高い、いわゆる「辛口」のお酒になります。シンプルな辛口のお酒です。
ではもしこのオリゴ糖がブドウ糖に分解されなかった場合、日本酒度はどうなるかというと、
オリゴ糖は糖分としてはしっかりとカウントされますので、日本酒度は低くなります。
しかし人間の味覚としてはあまり甘さを感じないため、「あまり甘くなく(つまり辛口)、日本酒度が低い」という現象が起きます。
そしてそれが生酒の場合、分解されなかったオリゴ糖は瓶の中で酵素によってブドウ糖に分解されます。そのときアルコールによって酵母が死滅しているのでブドウ糖がどんどん貯まっていきます。
つまり生酒は瓶の中で「甘くなっていく可能性」があるということなんです。
基本的にはしっかりとアルコール発酵をさせることが多いので日本酒度に沿って辛口に感じることの方が多いです。
ただ日本酒の成分には様々あり、渋み、酸味、苦味、そして香り、またアルコール度でも温度でも味わいのバランスが変わります。
一概に日本酒度だけで判断出来ないんだなぁと感じましたし、実際自分でお酒を飲み比べてみたときに日本酒度が高い方を甘いと答えてしまいました。
そしてお客様からの質問にもあった「じゃあどんなお酒を辛口と判断すればいいのか?」ってことには結局答えが出ませんでした(笑)
その答えが出せるよう、そしてもっと勉強するため(?)にも明日からもまたバンバンお酒飲んでいきます!