蔵を継ぐ ~日本酒業界を牽引する5人の若き造り手たち~
最近読んだこの本がすごく面白く、ためになったので簡単にですがご紹介を。
「蔵を継ぐ 日本酒業界を牽引する5人の若き造り手たち」
著者の山内聖子さんが何度も取材を重ね、とことん酒を酌み交わした、
同世代の若き造り手5人が酒蔵を継ぐまでの軌跡を綴った一冊。
確かに最近イベントなどでお見かけする蔵元さん、杜氏さんは若い人も少なくない。
僕も杜氏さんは熟練の職人で頑固な親父さん、みたいな感じのイメージがあったけど、
山中酒の店で出会う杜氏さんは案外若い。
そんな若い人が蔵を継ぐときはどんな気持ちだったのか、そしてどういう想いで酒造りをしているのか。
全く継ぐ気が無かった人やなんとなく継ぐことになるだろうなと思っていた人、
そして小学生のときから「継ぐ!酒蔵を経営する!」と考えていた人、
日本酒をダサイと思いワインソムリエの経験を経て蔵元になった人、
女人禁制の昔ながらの考え方に立ち向かいつつ、女性として蔵元になることに邁進した人、
この本にとりあげられた五人の中でも酒蔵を継いだ経緯は本当に様々。
しかし酒を造ろうと決心した経緯には意外と共通点がある。
そしていざ酒を造るということになったときはどの方も真っ直ぐな姿勢、気持ちは情熱的。
だからこそ美味しいお酒が出来上がる、そう文章を通じて感じるものがあった。
「僕らの世代はバブル処理班なんです」
白隠正宗の高嶋さんが言った言葉は確かにこの本の裏タイトルになっていいのかもしれない。
今の日本酒は過去最高の酒質だという人もいる。日本酒業界も少し盛り上がりをみせている。
かといって今の若い世代の蔵元が決して楽な環境にいるわけではない。
僕らの持つ「いわゆる酒蔵」というイメージと戦う、そんな僕らの知らないところでの戦いを知って、
そしてひたむきに「今」を走る5人の人となりや想いを知ったとき、きっと皆さんも
「この人の造ったお酒を飲んでみたい」
と思うはず。
そして飲んだお酒にプラスの味わいが足されていると思う。
そんな体験がしたい方は一度この本を手にとってみてください。
https://yamanaka-sake.jp/store/products/detail.php?product_id=1435
そしてこの本で紹介されている3蔵のお酒は当店でも買えます。(寫楽は店頭販売のみとなります。)
白隠正宗
https://yamanaka-sake.jp/store/products/list.php?category_id=1412
仙禽
https://yamanaka-sake.jp/store/products/list.php?category_id=1212
寫楽
https://yamanaka-sake.jp/store/products/list.php?category_id=1101
※どの蔵も人気の商品のため、品切れなど多数ありますがご了承下さい。
山内 聖子 Profile
1980年生まれ。岩手県盛岡市出身。
飲食店で働いたことがきっかけで日本酒に開眼し、
全国の酒蔵や酒販店、飲食店巡りを開始する。
その後、「多くの人に魅力を伝えたい」とライターの道へ。
現在では多数の月刊誌、週刊誌で主に日本酒にまつわる記事を執筆中。
「夜ご飯は米の酒」をモットーに一升瓶を抱きしめながら飲む日々を送る。