dancyu 3月号
皆さん、今月発売したdancyuの3月号はもう見ましたか?
日本酒が特集されています。
実はdancyuは3月号は日本酒を特集していることが多いんですよね~
毎年どんなことが書かれているのか楽しみにしています。
そんな中、目を引いたのが今回の特集の中のコンテンツの一つ
「日本酒は魚に合うと言われるけれど、結局どれが一番合うのか?料理人が飲み比べて選んだ19本!」
というもの。確かに日本酒は魚に合うとイメージは強いです。
そして124本から選ばれたベスト・オブ・魚酒に
『磐城壽 山廃純米 アカガネ』
が栄光に輝きました!
実はこのお酒、僕の先輩がdancyuさんに推薦したもの。
なんだか誇らしいような気持ちになります。(僕は何もしていませんが笑)
このお酒ただ飲んでも十分に美味しいのですが、ストーリーを知るとより味わいに深みが増します。
以前、イベントのときに先輩が作った資料をもとに、このアカガネのストーリーを紹介します。
アカガネについて
「あかがね」とは、「銅」のことです。熟成によって真価を発揮する酒質設計。灘の剣菱の種麹菌を使用し、芳醇旨口の味わいを表現しています。
福島県最東端、太平洋のすぐそばの、双葉郡浪江町請戸でお酒を醸していました。
海の男酒として、東北地方では珍しい味のあるお酒として、地元で親しまれていました。
蔵元兼杜氏の鈴木大介氏は、東京農大を卒業後、奈良県の梅乃宿酒造で数年間の蔵人経験がありました。
その当時、西日本の濃醇で個性溢れるお酒たちに触れ、いずれ福島の実家で、そのような個性のある酒を醸したいとの思いを強くしていました。
まずは、「土耕ん醸(どこんじょう)」という地元浪江町の契約農家さんのお米で醸したお酒からはじめ、さらに踏み込んで熟成をテーマにしたお酒をということで、平成22酒造年度の仕込みでは、岡山県産雄町と剣菱の種麹の組み合わせでチャレンジしました。
平成23年3月11日は、ちょうどその仕込み作業の日でした。
家族は早期の避難で無事でしたが、津波によって蔵は跡形もなくなってしまい、さらに原発事故で警戒区域に指定されて立入り不能になりました。
絶望的な状況でしたが、偶然、内陸部の福島県工業試験場に、分析用のため震災前の1月に預けていた「蔵付き酵母が生き残っている」という知らせを受け、酒造りを続けることを決意。周囲の励ましにも後押しされ、平成23年10月には、新天地、山形県長井市での酒造り再開にこぎつけました。
そして、3月11日に搾られることなく流されてしまった例の酒は、平成24酒造年度より製造を再開し、豪雪地帯の山形で醸され、瓶詰め後、暑い夏を常温で越してから、「あかがね」という商品名で平成26年1月より販売されています。
まさしく震災を乗り越えたお酒。
蔵が津波で跡形もなくなってもお酒造りを続けた鈴木大介さんの熱意、周囲の励まし、蔵付き酵母が生き残っていた偶然、色んな想いがアカガネの中に溶け込んでいます。
そんな想いを知った上で、アカガネを飲む。うん、前より美味い気がする。
ちなみにラベルに書かれている”The Fishermen’s Toast”という英語は「漁師の祝杯」という意味。
山形の内陸部に移った今でも、魚介類との相性は抜群。お燗をすることでより幅広い相性を示しますので、是非魚と一緒にお楽しみください。
ご購入はこちら
https://yamanaka-sake.jp/store/products/detail.php?product_id=74
あと今回のdancyuに「日本酒を相撲に例えたら」っていうコンテンツがありましたが、これにインスパイアされて「日本酒を野球に例えたら」っていう企画をブログでやろうかなと思いました。にわかファンなので上手いこと例えれるかな・・・