標高2236mのキャンプ場で極上のぬる燗
こんにちは。店長の井上です。先日、十数年ぶりにテントを担いで山梨県まで行って参りました。目的地は日本第二の標高(3193m)を誇る北岳。
当初は北岳山荘(2902m)のキャンプ指定地まで登る計画をしていましたが、事前に練習のため近場の山で重いテント積んで歩いてみた結果が散々。なので、負担を減らすべく北岳中腹の白根御池(2236m)にベースキャンプを張って一泊し、山頂&お花畑を周回する作戦に変更しました。
JR甲府駅から登山口の広河原(1520m)まで2時間バス。広河原山荘のランチで腹ごしらえした後、いざ登山開始。テントの重荷に耐えながら何とか2時間ちょいで白根御池へ。宿泊客で賑わう山小屋でテント泊の料金を支払った後、池のほとりのベストポジションに設営。
翌朝が早いので、早速夕食の準備に取り掛かります。炊飯の蒸らしの間、ザックに忍ばせていた四合瓶を取り出し、お約束お燗の準備。持っていったお酒は天上の楽園でお燗をするに相応しい酒名の「無窮天穏 天雲(あまくも)」。ちょうど夕刻に差し掛かって霧が立ち込め、天雲っぽい雰囲気になってきました。小鳥のさえずりを聞きながら極上のぬる燗を堪能しました。バスで一緒だった韓国人登山者がテントも隣で、晩ごはんをお互いお裾分け。彼は、私のより更に大きいザック背負って何泊もかけて農鳥岳方面へ縦走登山するそうです。
翌朝、月明かりの夜空の下ヘッドライト装着で3時10分白根御池スタート。急登の道を歩き、樹林帯を超えてお花畑を通過する頃には徐々に明るく。稜線に出る手前で鳳凰三山の真ん中からご来光。
朝日に赤く照らされた(モルゲンロートの)北岳を目の当たりにしながら登り続け、6時20分3193mの山頂へ到着。ちょうどその頃、西側の山麓から霧がどんどん立ち込めてきました。
東から日差し、西に霧という条件で、もしや?と思って西に目をやると、丸い虹が出てるではないですか。「ブロッケン現象」です。霧の濃さが風で刻一刻と変わる中、山頂にいる十数人の登山者達の影が映り込み、歓声が響きわたります。十数分間、この珍しい現象を見ることができました。
山頂での休息のあと、来た道とは違う方向に距離にして1kmほど高度にして200m降りて今回の最終目的地へ。太古の昔、海の底だった場所が何千メートルも隆起した北岳。かつてサンゴ礁だった部分が石灰岩となり、その岩場に特有の高山植物が咲いているとっておきの場所があるんです。昨年はじめて訪れて感動したその場所は、今年も長い積雪期を耐え忍んで漸く咲いた花々で溢れていました。その場所を通過する際にちょうど晴れわたり、そこはまさに天空の楽園。
このとっておきのルートを反時計回りで周回し、山頂まで再び200m登り返した後は、一気に標高差1700mを下山です。その頃には夏らしく再び霧がかかってきました。朝早く出発したおかげで絶景を楽しめ大満足でした。
今回の旅に持参した「無窮天穏 天雲(あまくも)」は、生酛×吟醸造り×アルコール13度(加水)という稀有な酒質で昨年7月の発売以来、弊社お取引先の飲食店さんを魅了しているお酒です。昨年(平成29酒造年度)は一升瓶のみの発売で昨年末に完売しましたが、本年(平成30酒造年度)のお酒が丁度この7月に販売開始となりました。今回から待望の720ml瓶もラインナップに加わりました。アウトドアに限らず、ご自宅でもお試し頂けましたら幸いです。